個人的お気に入りドラマー五選

長いことドラムを叩いてきて、すごいなあ、上手いなあ、頭おかしいなあ、と思うドラマーはいっぱいいます。プロとして活躍している人はやはり何かしら自分の色を持っていて、超絶テクニックであったり、グルーヴであったり、独創性であったり、カリスマ性であったりいろいろですよね。自分みたいなへっぽこドラマーからしたら、どんなプロドラマーも尊敬に値するのですが、その中で「好きなドラマーを5人選べ」と言われたら誰を挙げるのかちょっと考えてみました。

沼澤尚

言わずと知れた国内トップクラスのドラマー。13CATSから臼井ミトン氏まで、彼の演奏を数々見て聞いて来ましたが、やっぱりフレーズの色気がハンパないですよね。昔、ブルーズ・ザ・ブッチャーのライブを阿佐ヶ谷かどこかの小さなライブハウスで見た時は、演者との距離もかなり近いステージだったので、その音圧にも驚いたのを覚えています。上の動画とかも、マイクとの距離もあるでしょうが、スネアめっちゃミュートしてるのに存在感すごいですよね。

Manu Katché

日本語読みだとマヌ・カチェと読みます。確かフランス人。ピーター・ガブリエルやスティングのドラマーとして活躍した人です。本人のオフィシャルチャンネルがYOUTUBEにあって、そこに演奏や曲がいっぱいアップされているのは嬉しいかぎり。

上の動画を見てもらったらなんとなく分かってもらえると思うのですが、彼の演奏を一言で表現するなら、僕は「ゴキゲンなドラム」と言いたい。なんだろう、取り立てて派手なことをしているわけではないのですが、とにかくフレーズがキラキラしてて華がある。それでいて曲を邪魔しない。そんな感じ。あと叩き方がカッコいい。グルーヴも好き。だけどジャズもまた良し。まだ生で見たことがないので、いつかは見てみたいドラマーの一人です。

Tommy Igoe

個人的には、現代のジャズドラマーの中で5本の指に入ると勝手に思っている人。それがトミー・アイゴー。今回挙げた5人の中ではどちらかというとテクニカル寄りだけど、この人の作るグルーヴと流れるようなスティックワークが好きです。多分、使っているドラムの口径が小さいからだけど、ガタイがやたら大きく見えるのも好き。猫背なのも良い。それがトミー・アイゴー。

Birdland Big Bandではウィル・リーと一緒に演奏していて、その絵面は「変態イケメンおじさん夢の共演」って感じがして、それもまた大好きです。この人もまだ生で見たことないのでいつかは見てみたいです。来日しないかなあ。

Pat Torpey

残念なことに昨年の2月に亡くなってしまいましたが、自分の中で永遠のロックヒーローは間違いなく彼です。ロックドラマーといえばカッチカチのテクニカルドラムというイメージが強いですが、パット・トーピーはとにかく柔軟性のかたまりのようなプレイスタイル。ハードロックバンドには珍しい三点セットなんですが、そこから繰り出されるパターンはとても色鮮やか。

テンポの早いDaddy, Brother, Lover, Little BoyやColorado Bulldogではテンションの上がるスピード感あふれるプレイ、一方ミドルテンポの曲では独創性たっぷりのドラムパターン、と、どちらにしてもそのドラム自体がなくては曲が成り立たないほどのアレンジクオリティ。上の動画「Take Cover」でも、なんでそんなパターン思いつくの?と言いたくなるようなオリジナリティ。こんなややこしいリニアのパターンが曲に馴染むとかもう意味わかんない。

Sonny Emory

最後の一人はソニー・エモリー御大。これまでの4人はもしかしたら、今後選ぶ時には他の人に代わる可能性もありますが、この人は自分の中では別格で、おそらくずっと変わらずNo.1だと思います。

初めて見たのは、BSでやってたアース・ウィンド&ファイアのライブで、とにかくその時のうねるようなグルーヴが圧倒的過ぎて衝撃を受けたのを覚えています。

上の動画を見てても改めて感じるのは、音のツブ感や厚みが自分好みでとにかく聞いていて気持ちが良い、ということ。曲中のフレーズは基本的にそんなに派手ではないですが、曲のアレンジに溶け込みつつも、「そう来るか!」とニヤリとさせられるようなものばかり。上の動画の4:30~4:32あたりの最後のフロアタムの細かさとか超好き。

以上の5人を選んでみて改めて思ったのは、やはり自分はグルーヴを重視したドラマーが好きだ、ということ。もっと言うと、その人の演奏が音楽の中に、しっかりとテクスチャとして溶け込んでいるような人、とでも言うかな。上手い人でも、自分の手癖や得意フレーズばかりをブッ込む人は多いし、もしくは教則本のようなフレーズでいまいち面白味にかけるような演奏をする人も中にはいるけれど、自分が挙げた5人はそういったことがなく、しっかりと曲を彩る演奏をしている感じ。アレンジャーとしても優れた感覚を持っているんだと思います。偉そうでごめんなさい。

今後も僕は、趣味ドラマーとして、彼らの演奏にいちいち驚いたり落ち込んだりしながら、ドラム人生を楽しんでいきたいと思います。