キジバトの鳴き声とそのリズム考察

キジバトという種類の鳩がいる。

そう言われて、その姿カタチをすぐに想像出来る人は多くはないと思うが、その鳴き声は誰しも一度は耳にしたことがあると思う。

「明け方とか夕方とか、どこからともなく聞こえてくる、ホーホーホーッホーホーっていう鳩っぽい鳴き声、あれなんなんだろう?」
テレビやネット、はたまた友達との雑談などでこんな話題に触れたことはないだろうか。あれこそが、キジバトの鳴き声である。

キジバトについて

Wikipediaより

キジバト(雉鳩、Streptopelia orientalis)は、鳥綱ハト目ハト科キジバト属に分類される鳥。別名ヤマバト。

鳩とひとくちに言っても種類があり、公園などでよく見かけるものはカワラバトと言い、キジバトとは種を異にする。

キジバトの身体的特徴としては首の部分が線状のヒダのように見えること、対してカワラバトは虹色(主に緑と紫)に見え、その違いは一目瞭然である。

また翼部も大きく異なっており、キジバトの羽はその名前の由来でもあるように雉のような模様であるのに対し、カワラバトは白・黒・グレー・ゴマ・グリズルなど実に多彩である。

さらに、カワラバトは集団で行動するのに対し、キジバトはあまり群れずに行動する、という違いもある。2羽以上でいる場合もあるが夫婦の場合が多い。

個人的にはカワラバトの顔はちょっと怖い。冗談を言っても通じない、アサシンタイプの目をしている気がする。
対してキジバトとは友好な関係を築けそう気がする。一緒に飲んでいて、突然「ウルトラソウル!」と叫んでも、ちゃんと「ハイ!」と返してくれそうな、そんな目をしている。あくまで主観だが。

キジバトの鳴き声

兎にも角にも、聞いてもらうのが早いと思う。

おそらく多くの人が「ああ聞いたことある」と思うはずである。

ここで最初の話に戻るが、過去にテレビやネット、飲み会の席などでこのキジバトの鳴き声の話題を目に耳にすることが何度かあった。
その際、誰かが鳴き声をマネして、それに対し「聞いたことある!」みたいな流れになることが多い。
しかしながら、その何度か聞いた鳴きマネについて、自分自身一度も納得をしたことがない。

音程は割と再現できている事もあるのだが、大抵の場合「リズムが全然違う」のである。

小さい頃から、キジバトの鳴き声が聞こえてくるたびに、ノリノリでリズムをとっていた自分としては、曖昧なリズムでマネをされることがたまらなく気持ち悪いのである。

音程再現できてるなら、ちゃんとリズムも深掘れよ、と。ドラマーとしては声を大にして言いたいところだが、飲み会で誰かがマネした場合は、大抵自分も「おーその鳴き声聞いたことあるわ」などとうそぶいてしまう。それくらいの空気は読む大人になったと思う。

なのでこの場で「私の考える正しいキジバトのリズム」を明示したいと思う。ポイントは「私の考える」という点である。解釈は様々である、という逃げ道を用意した上で話を進めさせて頂く。

キジバト的リズム考察

Wikipediaのキジバトのページにも以下のとおり鳴き声の譜面が載っている。

Kijibato_Saezuri_Gakufu ※Wikipediaより

私の考えるリズムと結構近いのだが、若干異なる部分がある。

  • 9/8ではなく4/4である
  • 8分ではなく16分のシンコペーションである

キジバトの鳴き声をテンポを落として何度も再生し採譜してみた結果、上記の結論にたどり着いた。

仮にWikipediaにあるとおり9/8だとすると、最後の8分休符が必要以上の空白を産んでしまい、あのキジバト特有のグルーヴは生まれない。
そして8分音符だけで構成してしまうと、やたらとのっぺりとしたパターンになってしまい、あのキジバト特有の(以下略)
16分音符を最小単位とし、4/4で構成することがキジバトの鳴き声を正確に再現するポイントであると私は考える。

以上の考察を基にした「私の考える正しいキジバトのリズム」は以下のとおり。

kijibato_rhythm_orginal

重要なのは

  • 鳴き声の最初の一音は2拍目であること
  • 鳴き声の後ろの二音は16分のウラでとる
  • 鳴き声の最後の一音はシンコペーション

という点である。

おそらく、少なくとも前述の動画の鳴き声には限りなく近いリズムであると思う。
ただ場合によっては、最後の一音、譜面でいうところの一段目の最後の音から鳴き出すことも多く、実質的にはアウフタクトと言ったほうが良いのかもしれない。

なお、譜面だけでは分かりづらいかもしれないので、以下ドラム音で再現してみた。
リズムがとりやすいように、16のハイハットを一緒に鳴らしている。


このリズムを基にいろいろなフレーズを考えてみても面白いだろう。ドラムパターンやフィル、もしくはギターのリフなどにこのリズムを持ってくることで、鳩に一方ならぬ思いを持っている人に「お、それもしかしてキジバトのアレですか?」的に気づいてもらえることもあるかもしれない。そんな出会いが人生のうち、一回はあってもいいのかもしれない。と、私は考える。

余談だが、この記事のアイキャッチになっているキジバトの画像は素材サイトから540円で購入した。この記事を書くためだけに540円を支払ったが、そんな人生もありだと思う。

ちなみに、私の考えるリズムが当てはまらず、やはり8分でリズムをとったほうがハマるケースもある。そこは個体差やその時々の鳩マインドなどで異なってくる、ということだけ最後に補足させて頂くことにする。